事業再生

2013年11月15日 金曜日

リスケ前にやっておきたいこと

銀行とリスケ交渉を行う前にやっておきたいことが4つあります。



1.売上入金口座の変更

借入銀行の預金口座に残高があると、まだ返済余力があると判断され、銀行はなかなかリスケ交渉のテーブルに着いてくれません。
そこで借入銀行の預金口座の残高をなくして、あえて意図的に延滞させる方法があります。
ただ、得意先から売上入金口座=借入返済口座の場合は、入金があるとすぐに返済に回されるように銀行のコンピューターがプログラミングされているため、なかなか延滞の状況を作れません。
そこで、得意先に対して売上入金口座の変更をお願いする必要があります。
変更先の預金口座は、借入が全くない銀行の預金口座とするのがよいでしょう。



2.口座振替の預金口座の変更

電気・ガス・水道・電話・リース料などの自動引落しの預金口座を変更しましょう。
振替口座の変更手続は通常、振替元に依頼することになります。
振替口座の変更手続には1~2か月くらいかかりますので、早めに手続をとる必要があります。
変更先の預金口座は、借入が全くない銀行の預金口座とするのがよいでしょう。



3.支払手形の銀行変更

支払手形決済口座=借入返済口座の場合は、支払手形決済用のお金を入れた時点で借入返済に回されるため、なかなか延滞の状態を作れません。
そこで支払手形の決済銀行を変更するのですが、変更先の銀行は、預金取引のみの銀行、または商業手形割引のみの銀行とするのがよいでしょう。
ただし、支払手形を切るすべての銀行でリスケ交渉を行う必要がある場合には、支払手形決済日に決済分の現金を持参して、支払手形決済に充当してもらうように依頼するしかありません。



4.フリー定期預金(担保に入っていない定期預金)の解約

リスケ交渉後は、銀行はフリー定期預金を解約してくれなくなります。
そこで、リスケ交渉前にフリー定期預金を解約しておく必要があります。
その際に、解約する理由を聞かれることもありますので、あやしまれないように理由を考えておきましょう。



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2013年11月14日 木曜日

リスケとは何か?

リスケとは?

リスケジュール(略してリスケ)とは、借入している銀行と同意の上、一定期間において毎月の元金返済の金額を減額したり、0にすることをいいます。いわゆる返済猶予のことです。ただし、利息は支払う必要があります。
その際、返済条件変更契約書には、
① 毎月の元金返済金額をいくらまで下げるか
② いつからいつまでか(期間は6か月 or 1年が多い)
が記載されます。



延滞とは?

延滞とは銀行の同意なく、返済日に返済をしないことをいい、リスケとは異なるものです。
もしも延滞したらどうなるのでしょうか?
① 催告書の送付
 リスケジュールしないで約3か月放置していると銀行より催告書が送られてきます。
 
② 相殺通知書の送付
 自行にある会社名義と連帯保証人名義の預金が相殺されます。
③ 最終処理の実行
 □ 競売や財産差押えなどの強硬手段
 □ サービサー(債権回収会社)への売却
 □ 保証協会への代位弁済請求



リスケのメリットとデメリット

① メリット
 リスケ期間中は資金繰りが一時的に楽になりますので、その間に本業に専念できます。
② デメリット
 リスケを行っている間は新規融資を受けられません。
 とはいっても、そもそも新規融資を受けられないからこそリスケを行うわけですから、あまりデメリットと思う必要はないかもしれません。
 また、通常の返済額に戻すことができれば、銀行から再び融資を受けられるようになります。
 信用保証協会については、返済再開後6か月~1年経過を再度保証を行う時期の目安としているようです。



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