マネジメント

2014年2月11日 火曜日

長年任せっきりの怖さ

少し前の話になりますが、ある市職員による生活保護費の不正支出事件がありました。
職員は約10年間にわたって生活保護の担当で、実質的に任せっきり状態だったとのこと。
一つの業務を一人だけが担当するリスクが表面化した事例といえるでしょう。



「配置換え」「ペア制」で不正から守る

人材が固定的な中小企業では、特定の業務を一人の従業員が長年にわたって担当しているケースが多々あります。
「この業務は○○さんに、この業務は△△さんに聞かないとわからない」という具合に、業務が属人化しているのです。

「この業務はこの人」と任せっきりにしていると、もちろんメリットも存在します。
担当者が着実に業務を遂行すれば、他のメンバーは安心して他の業務に専念でき、業務効率がアップするケースもあります。

一方、長年にわたって一つの業務を一人のメンバーに任せっきりにするデメリットは多々あります。
まず、業務改善の停滞です。長年にわたって同一人物が業務に携わると、多くの場合自分がやりやすい方法を延々と続けようとします。すると、業務の改善と効率化が望めません。

また、業務がブラックボックス化する危険性があります。
「あの人は何をしているのかわからない」「この仕事はどのようにして進められているのかわからない」と周囲に思われるようになり、次第にその担当者、その業務に対する関心が薄れていきます。

最大のデメリットは不正の発生です。
誰も関心を寄せてくれない、誰もチェックをしてくれない状況では、不正を起こしてしまう可能性が高まります。

特に経理など金銭にかかわる業務は、どんなにまじめな従業員でも「魔が差してしまう」リスクが潜在しているのです。

もし、特定の業務を長年にわたって一人の従業員が担当しているのなら、配置換えを行うか、サブの担当者をつけてペア制を敷いてみてはいかがでしょうか?

配置換えを行うことで、従業員の新たな長所が見つかるかもしれません。

また、サブ担当者がバックアップに回ることで、担当者が休暇を取りやすくなります。急病等のアクシデントに見舞われたときでもスムーズに対処できるようになるのです。

配置換えやペア制を行うことで、一時的に業務は停滞するでしょう。
しかし、長い目で見れば、会社や担当者を不正から守ることができるのです。



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投稿者 税理士法人サクセス・サポート